差出人: Masayuki Nakamura [masa-nakamura@mpd.biglobe.ne.jp]
送信日時: 2004年4月4日日曜日 22:52
宛先: 銭湯ML
件名: 月見湯(茅ヶ崎市若松町)

ナカムラです。

今日(4/4)は、「月見湯(茅ヶ崎市若松町)」に行ってきました。

ちょっと心のクールダウンが必要と感じて、鎌倉の瀧ノ湯か、辻堂の不動湯辺りがいいとでかけたのですが、やはり未入浴の湯がいいと、茅ヶ崎の脱衣籠しかないという、「竹ノ湯(茅ヶ崎市南湖)」へ進路を変更。

住所も電話番号も持っていなかったので、駅の電話帳で調べて電話すると、昨年12月一杯で廃業しましたと、女将?の声。この前の「大正湯(二宮町)」、「蔦の湯(平塚市菫平)」といい、数が少ない湘南の銭湯が、廃業している。

茅ヶ崎のセカンド目的地の月見湯。データでは、サウナ、マッサージ室ありとある。ボロ銭指向の小生としては、第一候補にはなりづらい銭湯だけど、竹の湯にフラれたので仕方ないと思いながら、4月にしては冷たい雨の中を茅ヶ崎駅からトボトボと1.2キロ、約15分の道のり。

銭湯の表構えを見て???。入口は黒瓦を載せた伝統的なもの。その奥には脱衣所棟、その次には浴室棟の屋根とまさしく、銭湯、銭湯している。
建物を同じくして、手前に「月見湯」の看板、奥には鍼灸・指圧院〔マッサージ室?〕の看板が掛かっている。

暖簾をくぐると、鈴栄堂・章仙画の宝舟。傘立てに隠れているし、今日は雨で何本か傘が差し込まれていて、よく見えない。しゃがんで、傘立ての傘をかき分けている、どうみてもアヤしい・・・。

下足箱の錠は、あの「富士錠」。神奈川の古い銭湯、特に湘南の銭湯でよく遭遇する気がする。番台への戸はアルミサッシ。番台は簡素な材だけど木で組まれたもの、高さは結構低い。500円玉を出すと110円戻ってきた。茅ヶ崎市の銭湯は4つ目だけど、他は400円だったような気がする。

脱衣所は2間半四方。天井はフラットな格天井(6×13)。格子が少し小さく、細い。天井の高さも高くはない。男湯と女湯にそれぞれ、扇風機のシャフトだけがブラ下がっている。

ロッカーは外壁側にオール木製のこげ茶色のロッカー(21個)。錠を見ると「FUJI TOKYO」と黒塗りの錠。富士錠のロッカー錠は初めての遭遇だと思う。神奈川で遭遇することが多いので、地場のメーカーと思っていたけど、東京のもののようだ。富士錠は半分くらい。それ以外は壊れたのか、松竹錠になっている。

ロッカーは、壁側以外に普通の島ロッカー(16個)が、中央に縦置きされている。

庭の方を見て驚いた。サッシを開けるとサウナ室(乾式)がある。その横にはお隣さんへ通じる扉のごとく、鍼灸院の裏口・・・。

脱衣所には、浴室とサウナ室を繋ぐように緑色のカーペットが敷かれていた。サウナは別料金か尋ねたら、他より10円安い入浴料のみとのこと。横には造れなかったんだろうけど、脱衣所を跨ぐ構造というのももなかなかすごい。しかし、料金も取らずになかなか良心的といえる。

浴室は幅2間半、奥行き3間半。天井は2段型。島カランは1列。日の丸扇の旧型のカラン数は、センターから5・3・3・4。シャワーはセンターのみ。カランは旧型ながら、新しいかのごとく磨き込まれている。なかなかポイントが高い。

浴室のタイルはすべて改修されていて、古いものは見当たらない。銭湯道具を置く台も、全て幅広に改造されている。

浴室は奥行1間の深浅2槽。双方とも床から弱い泡が出ている落ち着いた湯。湯温は43度と42度くらい。こころもちぬるめの湯である。

ビジュアルは、奥壁に板に直接描かれた北鎌倉・新世美術になるものと思しきペンキ絵。絵柄は松・湖・帆掛け舟、高峰。女湯には富士山が見えた。

それと男女境に2前のタイル絵。浴槽側が、鈴栄堂・福二寫とある瀧、断崖に建つ楼閣、入り江に舟というもの。住吉湯(横浜市南区)にも同じ絵柄(初二画?)があって、確か、瀬戸内海国立公園を代表する景勝地の「鞆の浦(トモノウラ)」って書いてあった。もう一方のタイル絵は、松の木に止まった鷹が描かれていた。銘等はなし。福二画なのかなぁ。

昭和34年築の湘南の湯。期待していなかったが、ペンキ絵にタイル絵、苦労して設置されている無料乾式サウナありとなかなか満足度が高かった。